活性汚泥膜分離法(AS+MBR法)

活性汚泥膜分離法(AS+MBR法)について

従来の標準活性汚泥法では、処理水と活性汚泥との分離には沈殿槽による沈降分離が用いられていますが、これは処理状況によってその処理効率が左右されることがあり、安定した処理が行えない場合が多くありました。

活性汚泥膜分離法(AS+MBR法)は、曝気槽に微細な穴を持つ膜を浸漬し、汚水を直接ろ過することで処理を行います。これにより、安定的にSSや大腸菌類の流出のない処理水が得られ、また沈殿槽が不要となる為、コンパクトな処理が可能となります。

膜分離活性汚泥法(MBR)の特徴

従来法(標準活性汚泥法、沈殿法)に比べて設備がコンパクト

標準活性汚泥法の場合、処理水と活性汚泥との分離には沈殿槽による沈降分離が用いられていますが、膜分離活性汚泥法(MBR)では曝気槽内で直接ろ過を行うため、省スペースで処理が可能です。

活性汚泥が処理水へ流入(キャリーオーバー)なし

標準活性汚泥法の場合、SSの沈降性が悪かったり、汚泥の引き抜きがきちんとおこなえていない場合、処理水中にSS分が残ったままキャリーオーバーする場合がありますが、膜分離活性汚泥法(MBR)による処理では、膜が破けるなどのトラブルがない限りそのようなことは起こりません。

バルキングによるトラブルの排除

膜分離による直接ろ過で活性汚泥と分離されるため、バルキングによる分離不良の心配はありません。

水質が良く、処理水の消毒は不要

処理水が精密ろ過や限外ろ過膜を通るため水質が良く、従来法での砂などによるろ過が不要になり、処理水の再利用も容易です。大腸菌など大きな微生物も除去できるため、河川などに放流する場合は処理水の消毒は不要です。

膜分離活性汚泥法(MBR)はこんな施設・事業者様におすすめです

  • 処理設備の敷地が十分に取れず、コンパクトな処理が必要
  • 高度な処理水質が必要
  • SSや大腸菌などの流出が気になる
  • 既存の設備の中で処理効率をアップさせたい

膜の定期交換や、破断(破損)による取り替えについて

  • 分離膜の寿命は膜素材屋使用状況によって異なりますが、1~5年程度となっており、定期的な交換が必要です。
  • 分離膜のファウリングを防ぐため、定期的に次亜塩素酸やアルカリなどの薬品で洗浄する必要があります。
  • 分離膜表面の曝気または活性汚泥の循環、及び処理水の吸引のため、必要な電力などのエネルギーが従来法より増加します。

小規模実験装置のご案内

新たに排水処理設備設置をご検討、もしくは既設排水処理設備の改造・改善をご希望のお客様に、ご検討(ご計画)の設備による排水処理状況を確認するための小規模実験装置を製作可能です。
小規模実験装置を実際の現場でお試し頂き、導入・改造前に処理状況をご確認頂けるため、ご納得頂いたうえで設備のご検討が可能です。

試験機の詳細はこちらから

膜分離排水処理装置基本フロー図

下記フロー図は一例となります。お客様の施設概要をお伺いできれば、既設の設備への導入方法等ご提案できますので、お気軽にお声かけ下さい。

膜分離排水処理装置納入事例