膜分離活性汚泥法(MBR)処理事例
膜分離活性汚泥法(MBR)試験目的
膜分離装置にて、排水処理をご検討中のお客様の現場で、小型の膜分離装置にて、実現場への適用が可能かどうかの試験を行いました。
確認事項
- 小型膜分離試験装置で安定した処理量確保と膜への適用性。
- BOD容積負荷とMLSS濃度を高くとらない運転で、長期間膜が閉塞せずに運転可能か。
膜分離活性汚泥法(MBR)実験概要
機器仕様
- 膜分離槽 :1m3
- 膜 :4.5m2
- 吸引ポンプ:1.0L/min(可変)
- 原水ポンプ:1.0L/min(可変)
- ブロワー :75L/min

膜分離活性汚泥法(MBR)試験機運転方法
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初期運転条件
- 膜分離槽の水位が1,020mになるまで原水ポンプを運転。その後、吸引ポンプが運転し、20mm処理したら吸引ポンプが停止し、また原水ポンプが運転するように設定。
※以後その繰り返し - 吸引ポンプは膜閉塞を防ぐため、9分間運転すると1分間停止するように設定。
- 原水投入に約9分間(原水投入量MAX2,700cc/min)、吸引は約20分間(吸引量1,000cc/min)程度であった。
- 原水ポンプは曝気槽より引き上げるため、また散気を吸うため、MAX100%にて2.7L/minとなる。吸引ポンプは膜分離槽と同等水位で引きやすいこともあり、25%で1,000cc/minと設定してある。
上記の通りに初期運転を実施し、初期運転後状況に応じて運転方法を変更しました。
膜分離活性汚泥法(MBR)試験機試験結果
小型膜分離実験装置を用いて得られた結果を図1に示します。
図1より、MLSS濃度が12,000~14,000mg/L程度の高さで、一定の処理水量が保たれ、安定的に処理できていることが確認できました。また、2ヶ月程度長期運転を行いましたが、閉塞することなく問題なく処理、分離ができることがわかりました。
したがって、小型膜分離実験装置で実際に試すことで、同様の処理にて安定した処理水量が確保できること、膜への適用性を確認することができました。また、BOD容積負荷とMLSS濃度を高くとらない運転でも、長期間膜が閉塞せずに運転可能であることを確認しました。
図1